私の勤め先は、徐々に出社回帰の流れがあるのですが、遠隔地での採用も実施していて、同じチームで東京拠点への出社組と地方在宅リモート組とのハイブリッド会議の割合が増えるという状況にあります。このハイブリッド会議というのがすごい難しくて、ハイブリッド会議になるくらいなら、全員オンラインでMTGにしたほうが効率が良いのでは?という状態になることもあり、もやもやしていたのですが、先日ダイアログ・イン・ダークに行って暗闇体験したことで、もやもやが若干晴れた気がしたので、そのあたりのことをまとめておこうと思います。


ダイアログ・イン・ザ・ダークとは?

以下、Wikipediaのリンクです。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

完全に光を遮断された空間で、視覚障害者のアテンドを受けて、さまざまな課題をこなすアトラクションです。アトラクションの内容は、場所や時期によって異なります。私は以下のアトラクションに参加しました。暗闇の中で電車に乗ったり、靴を脱いでテントに入ったりしました。 ※目が見えない状態で、靴を脱ぐ、履くはなかなか大変でした。

暗闇の中の電車に乗って 出かけてみよう! キハ40で春の旅。(2024/03/16-06/30) | ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森®」

ダイアログ・イン・ザ・ダークの感想

アトラクションを体験して感じたことは以下になります。

  • 普段の生活で、視覚にどれだけ頼っているのかがわかる。
    アトラクションの90分間、光がなく見えないのに最後まで時間は、目で見ようとしていた気がします。無意識で使おうとしていたのかと思います。
    90分間のアトラクション中、本質的に怖かったのだと思われました。

  • 言語化する必要があることを、実体験として知れた。
    視覚がない状況でのコミュニケーションは、言葉にしないと周りに伝えることができず、声を出す必要がありました。ノンバーバルコミュニケーションという言葉がありますが、視覚から得ている情報は、とても多く、いろいろなことを視覚から無意識で情報を得ていることを実感しました。そして、視覚がなく、聴覚優先の状況で、声を発することが如何に大事であるかがわかりました。
    ダイアロンインダークのアテンドの視覚障害者の方に体験を終えた後に、「日常生活や、会社でコミュニケーションは取れていますか?」に言われたことが印象的でした。

  • 食べ物、飲み物が美味しいと感じる
    アトラクション中に、暗闇の中で食べ物を食べ、飲み物を飲むタスクがありました。 視覚が使えないことで、他の感覚が敏感になっているのか、普段よりも美味しく感じました。

  • 白杖超重要
    アトラクションの開始直後に、まず白状の使い方をレクチャーしてもらいました。 白杖を歩きながら動かして、障害物の有無を知ることができ、如何に重要か理解できました。 足の裏から得られる情報も重要で、交差点や駅のホームにある点字ブロック重要性が分かりました。


視覚障害と、ハイブリッド会議でのリモート参加者の共通点と考えること

視覚障害の「障害」を「制約」という言葉に置き換えて、視覚制約とすると、ハイブリッド会議でのリモート参加者も制約があるという点は共通点があると考えました。
ハイブリッド会議でのリモート参加者の制約は以下のようなものになります。

  • Webカメラ越しのため、視野が狭くなる
  • Webマイク越しのため、Webマイクで拾えないオンサイト側の会話は認知できない。

個人的に、同じ制約があるけれども、ハイブリッド会議でのリモート参加者の受けている制約を、オンサイト側の人間はあまり認知できていないように思ったりします。
これが視覚障害があると認識した人に対してだと、青眼者はもっと配慮していたりするように思います。


ハイブリッド会議の品質を上げるためにオンサイト側、リモート側ができること

勤め先でトピックに上がっているハイブリッド会議の品質を上げるためにできることを記載します。

オンサイト側

  • 360度カメラを用いる
    会社で下記の360度カメラ付きのスピーカー&マイクを利用していますが、リモート側からは、会議の様子がわかりやすいらしく、ないよりあったほうが良いという意見が上がりました。
    ミーティングオウル - リモート会議用webカメラ|Meeting OWL
    人の顔だけでなく、周囲の様子も含めて配信されると空気のようなものが伝えりやすくなると認識しています。

  • 本筋以外の話を控えるか、場所を移動して行う
    オンサイト側が、話の本筋から外れた話を始めてしまうケースがあります。設置しているマイクの性能が良かったりすると、この声が拾われてしまい、リモート側は2つ話題が混戦してしまいます。
    オンサイト側は本筋以外の話を控えるか、どうしても話をしたい場合は、マイクに集音されない場所で会話するようにしたほうが良いと考えます。

  • ホワイトボード に関する考慮
    オンサイト側で会議中にホワイトボードを利用したくなるケースがあります。通常のホワイトボードだと、リモート側への情報が伝わらないので、以下のような考慮が必要に思いました。

    • ホワイトボード用のカメラを用いる
    • 巨大なデジタルホワイトボードを利用する

リモート側

リモート側ですと、以下のような考慮ができると考えました。

  • 字幕をONにする
    MTG時に声が聞き取れないケースの保険になるという理由で利用しているメンバーがいました。
    出力に気を取られることがなければ、利用するメリットがあるかなと思います。

  • できるだけ良いネットワーク回線を利用する
    ネットワーク回線品質でどうしても、映像や音声の遅延が発生します。
    在宅勤務の場合は、できるだけ良いネットワーク回線を利用するべきと思います。     

  • 性能の良いマイク&スピーカーを用いる
    会議の音声品質が大事です。周囲のノイズが乗ったりしないように、性能の良いマイク、スピーカーを用いるのが良いと思います。


配慮しなくてもアクセシブルになるのが理想には思った

ハイブリッドMTGは準備の問題で、品質が下がったりすることが多いなと感じます。
誰がMTGの主催者をしても会議が安定するように、機器類が設置された専用会議室があると良いとは感じています。


参考

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