SIerの人仕事で、SaaSの要件定義に参加されることもあるかと思います。
SaaSの中にいる立場で、何度か要件定義を実施した経験から、関連するステークホルダーについてまとめてみました。記載していることは自分も全部理解できているわけではなく、目下学習中だなと感じていることも含みます。

誰向けの文書か?

以下のような方に向けて記載しています。

  • 初めてSaaS のシステム要件定義に関わる人。
  • SaaSのシステム要件定義のステークホルダー、 システム要件定義のステークホルダーが考えていることをざっくり知りたい人。

この文書に書かないこと

以下の内容は記載していません。

  • 具体的な要件定義の作業の進め方に関すること

前提

記事の前提となりそうな知っておいて欲しいことを記載します。

近年で起こったこと

SaaS で「月額定額」でエンドユーザーからお金をもらうビジネスモデルにサブスクリプション方式 というラベルがつきました。「サブスクリプション方式」の変更履歴 - Wikipedia見ると、2017年9月19日 (火)が最初の更新日で、確かにこれくらいの時期から言葉を聞き始めた気がします。

サブスクリプション方式(サブスク)という言葉のラベルがついたことで、言葉ができる前と比較すると、書籍などでの知識体系の整備が格段に進んだように思います。

ですので、SaaSの中の人も外の人も情報取得がしやすい状況になっています。

会社の規模とか

社員数300-500人の企業です。

もう少し規模が大きかったり、小さかったりすると、肩書きで異なる人物が登場する可能性はあります。

ただ、言語でラベル化されたので多少の方言の違いはあれど大まかな役割は同様だと思います。


ハードスキル、ソフトスキル、メタスキル

要件定義でソフトスキルを思い出したので、参考になったページのリンクを記載しておきます。

オンラインジャーナル/今月のひと

個人的に、要件定義はハードスキル、ソフトスキル、メタスキルをフルで使っている感があり、疲れるけど面白い仕事になります。きっとこの記事に書いていることはハードスキルの一部で、やはり肝心なのはソフトスキル、メタスキルだと思います。


読んだ方が良い書籍

以下のQiita記事に書籍がまとめられていて、この文書で記載することはありません。

エンジニアリングマネージャ/プロダクトマネージャのための知識体系と読書ガイド - Qiita

上記記事のプロダクトマネジメント領域の書籍は読んだ方が良さそうです。

現在進行形で、 THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス | 福田 康隆 | セールス・営業 | Kindleストア | Amazon読んでいますが、面白いと個人的には思います。


サービスデザイン思考

システム要件定義では、きっとざっくり以下を定義するのかと思います。

  • システム(プロダクト)化するものが何かを定義する
  • システム(プロダクト)化しないものが何かを定義する

個人的な定義ですが、SaaSでエンドユーザーに販売するのは、「プロダクト」ではなく、 後述するステークホルダーとプロダクトが作る「サービス」をエンドユーザーに販売しています。
別の言葉で置き換えると「サービス」は人間とプロダクトが作るユーザー体験(UX)なのだと思います。
サービスデザインについては、以下のドキュメントとページが参考になります。

後は、Podcastですが、

Automagic Podcastこの領域の話が多く話されていて、聞いていて勉強になります。 (個人的に単純に面白く思います)

本題.ステークホルダーについて

長い前提がありましたが、本題のステークホルダーについて記載します。


営業さんがいます

プロダクトをユーザーさんに売ってくれる営業さんがいます。個人的に興味深いと思ったのは、営業さんはプロダクトを「商材」と呼びます。SaaSを売っていた人が転職して、清涼飲料水メーカーで清涼飲料を売っていたりします。プロダクトを理解すれば、売り物はソフトウェアではなくても良いらしいです。

Saasの営業さんのKPIについては以下の記事が参考になります。


カスタマーサポートの人がいます

電話、メールでユーザーさんの問い合わせ、クレームを受けて、その課題解決をサポートする人達です。 問い合わせに回答を返すだけでなく、問い合わせ、クレームを集計、分析してFAQを作成したり、マニュアルを整備したり問い合わせ、クレーム自体をユーザー自信が解決できるように促しもします。

個人的に、以下のベストプラクティスガイドと、KPIが参考になりました。


カスタマーサクセスの人がいます。

カスタマーサポートがユーザーと受動的な関係を構築するのに対して、カスタマーサクセスの人達は能動的な関係を構築します。

カスタマーサクセスのKPIは以下が参考になりました。


マーケティングの人がいます。

リード(見込み顧客)を見つけたり、初期段階の育成を行う人達です。コンテンツを作ったり、セミナーを開催したり、展示会のブースの出展内容を企画したりします。
リードのコンタクト情報を取得した後は、MAツールでメールを送って顧客をスコアリングしたりもします。

マーケティングの指標は以下が参考になりました。

小さなチーム、大きな仕事――働き方の新スタンダード (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) | ジェイソン フリード, デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン, 黒沢 健二, 松永 肇一, 美谷 広海, 祐佳 ヤング |本 | 通販 | Amazon

には、マーケティングについて以下のように記載されています。

経理は部門だが、マーケティングはそうではない。 マーケティングは、会社のみんなが行うもの

ソフトウェアを作ったら、エラーのメッセージもマーケティング

エンジニアもマーケティングをやっていると考えても良さそうです。


広報の人がいます。

社内報を作ったり、IRを作ったり、ブランド作りをしている人達です。
マーケティングとの違いについては以下が参考になりました。

マーケティング、広告宣伝、広報PR、ブランディング…その違いを整理してみた - うつつなき太守のブログ

広報のKPIは、以下が参考になりました。


財務、経理の人がいます。

会社のお金の管理をしている人達です。

ケースバイケースですが、自社でエンドユーザーへの課金管理も行っている場合は、関係が深くなります。billing stripe 等を使っている場合でもコミュニケーションは発生するのではと思います。 財務、経理はKPIがちょっとわからなかったのですが、以下参考になりそうな記事は見つけたので、リンクを記載しておきます。

代理店の人達

プロダクトを売ってくれる代理店の人たちがいます。エンジニアが直接やりとりすることはあまりない気がしますが、ディストリビューター方式の代理店と、エージェント方式の代理店の人達がいて、お金の流れが異なります。代理店の人達が関与することでシステム的な考慮事項が生まれることもあります。

代理店契約については以下のサイトが参考になりました。

要件定義で直接関わる人達

後は、以下の肩書きの人が登場します。要件定義フェーズで直接関わる人達です。

  • プロダクトマネージャー
  • プロジェクトマネージャー
  • プロダクトオーナー
  • UI/UXデザイナー
  • ディレクター

ざっとステークホルダーになる人を記載してみました。

一応網羅的に書けたのではないかと思います。

以上です。

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