鬼滅の刃を読んでいて、どうもスキル伝承的な部分はテーマとしてありそうで、ITエンジニアの視点でこの辺りの部分について洞察と、思ったことをまとめてみます。

鬼舞辻無惨を倒せた理由

鬼舞辻無惨を倒すことができたのは、以下3点があると個人的には思います。

  • 継国縁壱から竈門炭治郎に伝承されていた「火の呼吸」
  • 珠世さんが、長年研究開発してきた薬、胡蝶しのぶさんとの共同研究
  • 柱同士の連携、協力と、鬼殺隊での伝達、スキル伝承の仕組み

全体的にコミュニケーションが肝にはなっていそうですが、鬼殺隊でのスキル伝承がチームにとって大事なことかと思ったのでこの辺りについてまとめていきます。


知っておいた方が良さそうなこと

個人的に、鬼滅の刃を見ていて少し調べた内容について記載します。

スキル伝承方法について

スキルの伝承といっても伝え方は様々で以下のような方法があります。

以下、Wikipediaの引用です。

  • 一子相伝

一子相伝(いっしそうでん)とは、学問や技芸などの師が、その奥義、秘法、本質を自分の子どもの中のひとりにだけ伝えて、他の者には秘密にすること

  • 口承

口承または口伝えの文化は、文字体系のない文明において、人から人もしくは世代を超えての情報伝達の手段であったが、その一方では芸能としての側面も存在し、文字体系が確立されてからも、口承は世界各地で今日も行われている。

  • 口伝

伝統芸能や古武道などの芸道において、師匠が弟子に流派の奥義や秘伝を口伝えに教授すること。また、そうして授受される奥義や秘伝のこと。

  • 伝承

ある集団のなかで古くからある慣習や風俗、信仰、伝説、技術や知識などを受け継いで後世に伝えていくこと

  • 古今伝授

広義の意味では、勅撰和歌集である『古今和歌集』の解釈を、秘伝として師から弟子に伝えたものである。

  • 血脈相承

仏教において、法が師から、弟子へと相続されることを、人体における血液の流れに譬えた語。

どれも、一子相伝 - Wikipedia からリンクで辿れます。

情報の伝達効率

グーテンベルクの活版印刷革命文書の引用です。

人類史におけるコミュニケーション革命はこれまでに4回あり、それぞれ画期的なコミュニケーション関する発明から始まっています。 (1)「書く」という行為そのものの発明 (文字や象形文字の発明により、人類は「書く」ことによって「記録」や「伝達」の方法を獲得しました) (2)アルファベットの発明 (共通の言語として利用できる文字の発明によって、地域だけでなく民族、国家、地球レベルで情報を伝え合うことが可能になりました) (3)活版印刷術の発明 (印刷技術のおかげで誕生した「本」という情報媒体の登場は、支配階級だけでなく大衆の情報共有を可能にしました) (4)インターネットの誕生 (コンピューターの発達から誕生した「インターネット」は世界規模で情報の共有を可能にし、国境、言語だけでなく時間の壁を越えることも可能にしました)

伝承方法は複数あり、その伝達効率は文明の進歩によって、効率が良くなっていると考えられます。

鬼滅の刃の時代背景から考える現代との比較

鬼滅の刃は、【鬼滅の刃】大正時代〜現代まで炭治郎たちはどのように暮らした?歴史年表 - 漫画考察book-wiz記載がありますが、1912年-1915年あたりだそうです。

現代と比較すると以下のようなことが言えそうです。

  • 情報の伝達効率はインターネットが存在しないため、現在よりも悪そう。

    • 鬼殺隊においては、産屋敷輝利哉が念話っぽいので柱と会話していたり、鎹鴉がいたりする。
      大正時代のその他の一般の人に比べるとコミュニケーション効率は高め。
  • スキル伝承については、インターネットを介して行うものはない。

    • FAQサイトであったり、Web上でのセミナー等はない。

個人的に鬼滅の刃のの中での印象深いスキル伝承

霞柱:時透無一郎が、上弦の壱である黒死牟との戦闘中に、赫刀という刀を赤くする技を発現させ勝利に貢献します。時透は戦闘で失くなってしまいますが、鎹鴉が伊黒小芭内に報告していたことで、鬼舞辻無惨戦で、赫刀を発現させることができました。時透無一郎の死は無駄にはならず、その戦いの中で学習したことは、鎹鴉を介して生き残っている柱たちに伝えられました。


鬼滅の刃での事象を、ITプロジェクトで起きることに置き換え

個人的に以下の黒死牟戦と、霞柱:時透無一郎の死をITプロジェクトで起こる以下のことに置き換えて考えてしまいました。

  • 黒死牟戦

    ITプロジェクトそのもの

  • 霞柱:時透無一郎の

    プロジェクト終了時のメンバー離脱

  • 鎹鴉

    PMBOKにおける教訓リポジトリへの登録等の次プロジェクトへ繋げる行為

  • 鬼舞辻無惨戦

    黒死牟戦後の後続のITプロジェクト

  • 伊黒小芭内
    後続のITプロジェクトの新規参画メンバー

  • 産屋敷輝利哉
    優秀なプログラムマネージャー

次プロジェクトに繋げるってところがあまり言語化できずにモヤモヤしていたんですが、鎹鴉の存在で前よりも言語化が上手くできるようになった気がします。

個人的経験からすると、次プロジェクトへ繋げるというのは、鬼滅の刃ほどに上手くいっておらず、メンバーの入れ替え時に同じ失敗を繰り返すと言う状況になることが多いです。


ITプロジェクトで鬼滅的なスキル伝承をするために必要なこと

PMBOKに書かれていそうな当たり前のことですが、当たり前の事を、当たり前にできていないのでこのような自体が発生します。

以下のような行動が必要に思います。

  • プロジェクト終了作業の中に教訓リポジトリへの登録を定義する。
  • 教訓リポジトリの場所(URI:URL)を定義する。
  • 教訓リポジトリへの登録後に、情報を必要とする人物へ情報を共有する。
    • 何の情報が書かれているか?
    • どのように使うのか?
  • プロジェクト開始時に教訓リポジトリがどこなのか?どのように使用するのか?を新規参画メンバーに伝える。
  • プロジェクト離脱者の引継ぎ事項を定義する。

ふと思ったこと

鬼滅の刃としては、プロジェクトの失敗は自分の死なのですが、ITプロジェクトくらいだと、死なないんでそこまでできないのかなとは思います。

死が絡むような状況でストレスフルな情報共有をするという感じではなく、気がついたら教訓リポジトリに登録することになっているとか、意識してやらなくても無意識でやっていることになっている仕組み作りが大事に思いました。

参考

文書作成時に以下の記事を読んでいました。

以上です。

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