今すぐ現場で使える コンテンツ ストラテジー ―ビジネスを成功に導くWebコンテンツ制作 フレームワーク+ツールキット | ミーガン・キャシー, 長谷川敦士, 高崎拓哉 |本 | 通販 | Amazon を3月くらいかけて読みました。
読んだ感想、書籍の重要だと思った点のまとめです。
サマリ
組織がコンテンツをユーザーに提供する際に使用するフレームワークについて語った書籍で、PMBOK 等の知識体系に近いものだと思いました。
コンテンツ・マーケティング等とも関わりがある分野かと思いますが、ソフトウェアエンジニアの立場から見ても、プロセス定義や、担当者の役割設定、コンテンツ・オーディット等勉強になる部分が多くあります。
ブログを書いている立場としては、想定内のメンテナンスのコンテンツの定期評価というところが気になり、スタイルガイドや、コンテンツの評価方法について深掘りをしたくなりました。
各工程で使うテンプレート類が豊富にあるので、気にある方は書籍購入して、ダウンロードするのが良いかと思います。
以下、各省ごとのメモ書きと、感想になります。
Part 1 プロジェクトの予算と承認を得る
Chapter 1
- コンテンツオーディット
- 監査基準を明確に定めておく。
- アクセス解析
- アクセス解析プランを作成する。
- ユーザーテスト
- チェック項目に対して、1種類だけ訪ねる
- 参加者は5人で十分
- ピープルとプロセスを忘れるべからず
- 悪意を持って、適当な仕事を使用と思うスタッフはひとりもいない
-
無意味に思えるプロセスやツールも元々は問題を解決するために編み出されたもの
-
問題をチャンスに転換する
Chapter2
- コストの見積り
- リスクの見積り
- 論証モデル
- 要求 トゥールミンの論証モデルには項目としてない。
Part 2 プロジェクトを設計する
chapter3
- ステークホルダの役割 は5種類
- ステークホルダのタイプ は4種類
- ステークホルダ・リストでリストアップと分類をする
- ステークホルダへのアプローチ方法は自分にとっても、ステークホルダ側にとっても意味がある。
chapter4 キックオフ・セッションを準備する
- キックオフセッションの進行表
- 招待メールは個別に送る
-
動機付けをしっかり行う
-
集団での合意形成
- 集団合意形成のダイヤモンド
- セッションの基本ルール
- 議事進行のテクニック 1.言い換え 2.代弁 3.軌道修正 4.沈黙
- 同意が得られるという意味
- 目標を設定し、そこへ歩み始めることに同意する。
Parts 3 戦略のためのリサーチを行う
-
問題点の見つけ方とまとめ方
- 作業時間割り当て調査シートというツール
- 基本的な仕事の流れを教えてもらう
- 仕事で取り分け大切だと思うものを三つあげる
- to do リストの中で後回しになりがちな作業は何か尋ねる
- 仕事の割り振りを教えてもらう
- 他の人が仕事の重複をしてるかを訪ねてしていたことがあるかどうかを尋ねる
-
プラントプロセスの問題
- 問題の種類
-
意思決定、ワークフロー
-
集まった情報をまとめる
- プロジェクトが解決する課題や問題についてフォルダーの認識は一致しているか
- 具体的な段階に入る前に、ステークホルダーの知識家止める必要はありそうか
- このギャップは後は侵略に対する考え方に火を起こしそうか
-
ピープルの問題
- ブログ記事がブランドイメージとかけ離れている止めて
-
役割の明確性
- スキルと経験意思決定と決定権者
- 仕事のキャパシティ
-
目標戦略サマリーと後は戦略を別々に作り、それぞれのフィードバックを待っても、ジェクトの完了期限に間に合うか
-
発見フェイズで見つかった情報の中に、ステークホルダーに大きな驚きをもたらすものがあるか
-
ユーザーテスト
- ユーザーテストの三つのカテゴリー
- 見つけやすさ
- 読みやすさと分かりやすさ
- 印象の良さ
- ユーザーテストの参加者はカスタマージャーニー上の**適切な地点にいるユーザーを選ぶ
Parts 4 戦略を練る
chapter 11コンテンツパスを作る
- statement を使いプロジェクトのアイデア一覧表を作る。
-
実行に移すべきかどうかを判断する。
-
強戦略ステートメントを作る
- コンテンツ
- オーディエンス
- ユーザーのニーズ
- ビジネス目標
-
コア戦略ステートメントのフォーマット
- ステートメントとは声明文のこと
- 声明文は四つのキーパーツを含む
-
コア戦略ステートメントの作り方
- 共同で作る
- 一人で作る
-
メッセージフレームワークを作る
- メッセージフレームワークのフォーマット
- メッセージを必要とするすべての人に行き渡っている改行実際にそれを使ってコンテンツに関する決断を下せる
- メッセージを覚えておくと関わるスタッフの役に立つ
chapter 12 成功を測る指標を求める
成功を測る指標決める
-
何を測定するか決める
- 用語の意味をはっきりさせる
- KPI
- 目的
- メトリクス
- 用語の意味をはっきりさせる
-
メトリクスを選ぶ
- メトリクス測定の三つの方法
- アクセス解析
- ヒューリスティック評価
- ユーザーフィードバック
- メトリクス測定の三つの方法
-
データセットプレゼンテーション
- 訪問者は平均で何回ページを訪れてから会員になるか
- 訪問者はどんなルートを辿って登録ページにたどり着くか
- 説明ページにたどり着いた訪問者のうち、何パーセントが実際に入会したか
- 実際に入会する訪問者が一番多いのはどのバージョンの登録ページか
- 入会者は入会前にどれくらいの頻度でサイトを訪れていたか
- コンテンツを購入した参加した訪問者の何人が会員になったか
-
ヒューリスティック評価のフレームワーク
- アビー・コバートが開発したフレームワークが有名
- 書籍
Chapter 13
-
コンテンツデザインとは何か
- 4つのカテゴリー
- プライオリタイゼーション
- オーガナイゼーション
- プレゼンテーション
- スペシフィケーション
- 4つのカテゴリー
-
トップタスク分析
MeasuringU: Top-Tasks Analysis
ユーザーにとって一番大事なタスクを見つける。 -
ユーザーのWebサイト閲覧時の観点(例)
- オフィスの場所
- 業界
- サービス
-
タクソノミー
何かを基準にコンテンツを分類したもの
分類体系 - Wikipedia
コンテンツの表示のコンテキストを整理することに思った。
以下、タクソノミーの例。- 場所
- 業界
- サービス
-
プレゼンテーション
コンテンツの見せ方設計。 -
コア・モデル
考案者は、NetlifeResearch社のアル・ハランド。
Webライティングにおけるコンテンツ戦略 | UX MILK-
コアモデルがあるとなにが起こるのか?
- グラフィック・デザイナーは、デザイン上最も強調すべきキー要素がわかる。
- Webに詳しくない人も、プロジェクトに積極的に関与できる。
- コピーライターやエディターは、サイロ思考に陥ることなく、コンテンツの質が向上する。
-
コアモデルワークショップの流れ
- コアを見つける
- 到達ルートを考える
- コアコンテンツを決める
- 後続ルートを設定する
-
モバイル基準で優先度を決定する。
- 小さい画面なので、配置できる要素が少ない。
-
-
コンテンツ・モデル
HTML5にも同様の言葉があるがそれとは別物。
HTML5における要素の分類(コンテンツ・モデル)-HTML5リファレンス
コンテンツを一箇所にまとめて示し、各タイプの細かな定義やタイプ同士の関係性を記したもの。- コンテンツモデルの作り方
- 一覧表を作る。
- ページを組み直す
- コンテンツモデルの作り方
-
スペシフィケーション
スペシフィケーション=仕様特定
エリア定義表、ページ構成要素表の2つの図を作る。-
エリア定義表
使い回しの効くタイプのコンテンツに使用する。 -
ページ構成要素表
エリア定義表では、細かい指示を伝えたり、具体的指示を出すのが難しい時に使用する。 -
疑問
ワイヤーフレームと何が違うのだろう? ワイヤーフレームとは何か?webサイト制作に重要なページ設計図を理解しよう! | なんでものびるWEB ワイヤーフレームを共通部品と、個別要素に分解したものな気がする。
-
Parts 5 戦略を実行する
Chapter 14 戦略に沿ったコンテンツを作る
-
役割と担当、プロセス
-
集中管理モデル
コンテンツの制作と公開を1つの部署やチームが管理するモデル。 -
分散管理モデル
組織に散らばるチームがそれぞれコンテンツの制作・編集・公開を担当する。 -
ハイブリッドモデル
1.
、2.
を組み合わせたもの。
-
-
担当者とその役割
- 役割は、必ずしもイコール
肩書き
ではない。 -
編集者 コンテンツを戦略やブランドと一致させる作業の最終責任者。
-
所有者
個々のコンテンツの内容が正確かつ最新かを確認する作業を担当する。 -
執筆者
戦略とデザイン上の要件に基づいたコンテンツ作りを担当する。 -
専門家
コンテンツが扱うテーマに詳しい人間。 -
レビュアー
公開前にコンテンツのレビューを行う人間。 -
校正者
文法ミスや誤字脱字、フォーマットとの不一致を確認する人間。 -
公開者
コンテンツを世に送り出す責任者。
- 役割は、必ずしもイコール
-
プロセス
- フローチャートを書く。
- プロセスは役割が整理されれば、自ずとはっきりしてくる。
- What:何?
各ステップで行う作業と前後の作業は何か? - Why:なぜ?
なぜそのステップが重要かを示す。 - Who:だれ?
作業担当者、作業を知らせるべき人間、相談すべき人間は誰か? - When:いつ?
作業はいつ終わるか? - How:どうやって?
作業の進め方。フローチャートに組み込んでも、外だししても良い。
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コンテンツ制作のツール
-
コンテンツ制作インベントリ
複数人で見るTODOリスト。目録。
インベントリ - Wikipedia -
スタイルガイド
コンテンツのスタイルガイドのこと。
デザインと、文書体裁両方を含むもの。 -
カードソーティング
組織にふさわしいボイス&トーンが決まっていない場合は、カードソーティングのエクササイズを実施する。
-
-
フィードバック記入用紙とチェックリスト
どんな観点からレビューして欲しいのかを明確に伝えるために使う。-
法務
コンテンツが原因で組織が法的な問題に巻き込まれないことを目的にレビューする。 -
編集者
コンテンツが戦略に合致するか、望ましいボイス&トーンで書かれているか、ウェブ・ライティングのベストプラクティスを踏襲するかをレビューする。 -
チェックリスト
決められた観点を確認する。分散型モデルの場合、効果的。
-
感想
PMBOKの組織の型を思い出した。
スタイルガイド、今までそこまで強く意識していなかったが、複数人で文書作成を行う場合、重要なツールだと思った。
Chapter 15 コンテンツのメンテナンスと次の計画を立てる
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コンテンツのライフサイクル
-
戦略立案
どんなコンテンツを誰向けにどんな理由で作るか。どう整理してどう見せるか。 -
計画
制作スタッフの役割と担当、プロセスを決める。 -
制作
担当スタッフにコンテンツの制作、承認、公開をしてもらう。 -
メンテナンス
コンテンツをこまめに更新、削除する。 -
オーディット
コンテンツの監査、評価。
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決定権の設定
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決定権者には、戦略の責任と、実行の責任、2つがある。
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戦略の責任者
コンテンツストラテジーを完遂し、その成功を実証する最終責任者。 -
実行の責任者
現場のコンテンツ制作の監督。
メンテナンスのプロセス調整、編集業務全般の監督。
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戦略責任者の役割
- 戦略管理者は1人にする。
- 最終統括者は1人にするべき。
- 部長がいるなら、部長が戦略責任者になる。(決定権を持っているとはみなされにくいため)
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実行責任者の役割
- 実行作業はコンテンツ担当チームに集中することもあれば、組織全体に散らばることもある。
関係のありそうな作業は、なるべく同じ人物に任せる。
- 実行作業はコンテンツ担当チームに集中することもあれば、組織全体に散らばることもある。
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想定内のメンテナンス
- コンテンツの定期評価
- 正確性やベストプラクティス踏襲の定例レビュー
- 1年に1回はコンテンツのレビューを実施する。
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効果測定の一環の場合
- キーメッセージが伝わっているか確認する。
- 明確なCTAが入っているか?
- ブランドイメージを映したボイス&トーンで書かれているか?
- 外注に出した方が、視点が提供されて有益。
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専門家レビューの問題
- 法務レビューは法務に負担をかける。できる限り簡素化する。
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想定外のメンテナンス
- 維持計画を作る
- 想定外のメンテナンスを想定し、記録用のドキュメントを作る。
- 更新依頼シートの作成
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コンテンツの計画
- 戦略担当者と実施する。最低でも1年に2回は行う。
- コンテンツ・ブリーフ 「伝わるしくみ」で変わる企業コミュニケーション
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編集の計画
- コンテンツを正しいタイミングで正しいオーディエンスに公開・共有するための活動。
感想
想定内のメンテナンスは、ブログに対して実施してもいいかもしれない。
想定外リスクに対する計画という概念はなかった。
想定外のリスクに対しても、連絡経路のルールは確保しようという考えに思えて、現実的にやれる落とし所としては有用に思えた。
以上です。
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