SQuBOK の SQiPソフトウェア品質ライブラリ にはソフトウェア品質に関する文献がまとめられています。
フロントエンド QA観点で、この文献 を検索し眺めてみました。
思ったことのメモ書きを以下に記載します。
ざっくり眺めた印象
別になくて良いのですが、javascript、css、HTML の組み方 の良い、悪い といった 内部品質
観点での文献はなく、外部品質
観点での文献は UX
、UI
、UCD
等のキーワードで検索すると、幾つか文献がヒットしました。1
キーワード UI
での検索結果
キーワード UI
検索 で検索して、フロントエンド観点 で 注入しておいたほうが良さそうな文献を抽出しました。
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使いやすいUIを設計するためのプロトタイピング手法実践に向けたツボ・勘所― フォトブックサービスにおけるプロトタイプ作成とペルソナ・シナリオに基づくウォークスルーを通じて ― | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
ペーパープロトタイプを使って、ウォークスルーを実施し、UIデザインへフィードバックするという手法について記載されています。 -
プロトタイピング手法の効果的な選択方法の提案-我が社の交通費精算システムは使いやすくなるのか?- | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
ストーリボード、カードソーティング、ペーパープロトタイピング のどの手法、既存システム改修に有用かが記載されています。
個人的に興味を持ったこと
全く知らなかったですが、引用されている The Elements of User Experience
5段階モデル に興味を持ちました。
・ 戦略段階・・・サイトの目的とユーザーニーズ
・ 要件段階・・・機能仕様とコンテンツ要求
・ 構造段階・・・インタラクションデザインと情報アーキテクチャ
・ 骨格段階・・・インターフェースデザイン、ナビゲーションデザイン、情報デザイン・表層段階・・・ビジュアルデザイン
・ 表層段階・・・ビジュアルデザイン
以下の記事に詳細が解説があります。
キーワード UX
での検索結果
このキーワードでヒットする文献は基本的に、注入しておいたほうがいい考え方かと思います。
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UXデザイン手法の効果的展開策~ 「UXサジェスター」の提案 ~ | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
企画品質 を UX の手法で評価する。 -
本当に望まれるソフトウェアを開発するためのUXD(User eXperience Design)活用検証~もし、現場の開発者が”UXデザインの教科書“を読んだら~ | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
ペルソナ、シナリオを使って、システムの付加価値を追求する。 -
UXデザイン手法の効果的展開策~ 「UXサジェスター」の提案 ~ | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
システム開発時に UX 手法の有識者によるサジェストを行って要件を展開する。 -
開発現場におけるUCD アプローチ実践の課題― ネットプリントサイト改善のための仮想UCD プロジェクトを通して ― | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
ソフトウェア開発にUCD(User-Centered Design:ユーザ中心設計)の手法を取り入れる。 -
ソフトウェア開発における失敗の予兆とUX手法の有効利用〜 UX手法による身近な炎上防止 〜 | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
開発現場でよくある問題を、UX手法で解決するには、この手法 の マッピングが行われています。
個人的に、仕事上よくぶつかる問題であるため、興味深い文献でした。 -
システム開発における利用者視点欠乏症の簡単自己診断と処方箋一覧-“利用者視点欠乏症チェックシート”と“UXソリューションマップ”の提案- | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
ペルソナの設定が必須ですが、ペルソナを設定して利用者視点欠乏症チェックシート
を使ってみたいと思いました。 -
行為の 7 段階モデルを用いたユーザーのつまずき解決手法- ユーザーがつまずいた原因は本当にそれですか? - | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
ユーザーがシステム操作で、つまづいた根本原因を、行為の 7 段階モデル
と、なぜなぜ分析
を用いて探る。 -
専門的な装置を制御するソフトウェア向けのシンプルなUX 手法の提案 | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
一度は、真面目にマニュアルと向き合わないと操作方法がわからない GUI のソフトウェアに対する UX 手法かと思います。 -
利用状況把握から始めるUX 課題分析手法の提案- Web システムの利用品質の向上を目指して - | SQiPソフトウェア品質ライブラリ
UX の専門知識を持たない担当者でも 実施可能な リモートユーザーテスト サービスを使った、ユーザーテストの実施方法について
他には
1.1.4 使用性 (16) で分類されている文献、3.13 使用性の技法 (17) で分類されている文献 で UX / UI 観点 での品質評価で参考になるものが多いです。
文献を眺めて思ったこと
以下、文献を眺めて思ったことを記載します。
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The Elements of User Experience
5段階モデル は なかなかの確率で引用されていました。 -
テストによる保証よりも、予防観点での内容が多いです。 (気がします)。
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チームでストーリボード を 使ってみたいです。ユーザーストーリーでもいいですね。2
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組織としてのペルソナは共有しておいたほうがいいです。3
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IT ストラテジスト の文脈で、ユーザーストーリー、ストーリボードは語られないが、BABOK の文脈だと 語られています。4
IT ストラテジスト
は バックエンドエンジニア + ビジネス なイメージ で、フロントエンド + ビジネス な資格とかあったらいいかもしれないと個人的に思いました。
「ITストラテジスト試験」シラバス(Ver 3.1) を見る限り、UI/UX 観点は範囲に含まれません。 - UX はものすごい疎いので、知らないことばかりで勉強になりました。
以上です。
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フロントエンド観点でなくても、キーワード
内部品質
でキーワード検索でヒットした文献は、現場で使える品質評価手法の研究 | SQiPソフトウェア品質ライブラリ のみでした。 ↩ -
野良ストーリボードは使う経験はあります。 SIer 仕事だと形式知かされない暗黙知部分でこのような手法は使われていることが多い気がします。上手く仕事が回れば手法はなんだっていいのですが、上手く回らなくなった時に手法としては引き出しにしまっておきたいです。 ↩
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QAテストの判断基準として持っておきたいです。 ↩
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Business Analysis教科書 BABOK CCBA - 上村有子, エディフィストラーニング株式会社 - Google ブックス ↩
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