WicketとDropwizard,Guiceを連携する

Wicket Guice GlassFish の組み合わせでアプリ構築をしていたのですが、GlassFish 4.x だとデプロイが遅いです。
¹²

この遅さ対策のため 組み込み Tomcat でアプリケーションを動かしたくなりました。
Spring Boot が Dropwizard か迷ったあげく、
Wicket Guice Dropwizard の組み合わせで動くようにしてみました。 実施したこと、作成したアプリケーションについて記載します。

1. 作成したコード

作成したコード一式は、Github に置きました。

• dropwizard-wicket-guice

2. 参考

• dropwizard-wicket
  Dropwizard と Wicket を連携している Example コードです。
  この Example を Folk して作成しました。

• Wicket + Guice including unittests
  Wicket と Guice を 連携している Example が記載されています。

• gradleでDropwizard
  Dropwizard の pom.xml を gradle に書き換える際に参考にさせてもらいました。

• Wicketのquickstartプロジェクト(Maven)をGradleに移行する
  Wicket の pom.xml を gradle に書き換える際に参考にさせてもらいました。

3. QuickStart

とりあえず、動かしたいのであれば、以下 QuickStart で動作させることができます。

• QuickStart

4. dropwizard-wicket の Folk 後に実施したこと

Example コードを Flok した後に実施したことを記載します。

4.1. build.gradle の 設定、編集

Maven プロジェクトを Gradle プロジェクトに変換

Folk 元のプロジェクトが Maven プロジェクトのため、Gradle プロジェクトへ変換を行いました。
Maven プロジェクト Gradle プロジェクト の変換は以下のコマンドで実施できます。

    gradle init --type pom

build.gradle の dependencies の 変更

Dropwizard Version を 0.8.4 に、 Wicket Version を 7.1.0 に 変更し、guice 、guice-servlet、 wicket-guice を依存関係に追加しました。

• dependencies の抜粋

      dependencies {
          compile group: 'io.dropwizard', name: 'dropwizard-core', version:'0.8.4'
          compile group: 'org.apache.wicket', name: 'wicket-core', version:'7.1.0'
          compile group: 'com.google.inject', name: 'guice', version:'4.0'
          compile group: 'com.google.inject.extensions', name: 'guice-servlet', version:'4.0'
          compile group: 'org.apache.wicket', name: 'wicket-guice', version:'7.1.0'
      }
  

plugin 記述に shadow を追加して、shadowjar タスクを使用可能にする。

Gradle で Fat jar を作成するための plugin 、Gladle Shadow plugin を 追加します。

• plugin の記述

      plugins {
        id 'java' // or 'groovy' Must be explicitly applied
        id 'com.github.johnrengelman.shadow' version '1.2.2'
      }
  

• shadowJar タスクの記述
  

      shadowJar {
        // jar作成後がコマンド再実行でjarを再生成するため、記述を追加
        tasks.clean.execute()
        mergeServiceFiles() 
        exclude 'META-INF/*.DSA'
        exclude 'META-INF/*.RSA'
      }
  

4.2. プログラムの変更点について

プログラムの変更点について記載します。

WicketBundle の記述を変更

Folk 元のクラスは、Guice を使用しない実装でしたので、WicketBundle.java の以下の点を修正しました。

1. FilterHolder に設定する Filter クラスを GuiceFilter に変更。
2. context に GuiceServletConfig の設定する処理を追加。
3. SessionHandler の設定処理を追加。

SessionHandler は設定しないと、以下の内容のエラーが出力されたので、追加しています。 ³

• エラー内容
  

  java.lang.IllegalStateException: No SessionManager ! 
  at org.eclipse.jetty.server.Request.getSession(Request.java:1402)
  

SampleApplication の追加

Dropwizard は アプリ起動のため、io.dropwizard.Application の継承クラスを作成する必要がありますが、Folk 元のコードが パーツのみの提供でした。
実際動作するアプリケーションにするため、SampleApplication.java を追加しました。

5. 作ったあとの感想

以下、作成後に思ったことになります。

• WicketFilter と、GuiceFilter の共存することがあまり直感的でない。
  GuiceFilter 経由で、WicketFilter の設定 と Injector の取得をしています。
  実装がそれなりに面倒で、直感的にもわかりにくい気がしました。

• 改善案
  Folk 元だと、WicketBundle に Wicket の Application クラスを設定して、インスタンス生成する作りになっていました。
  このインスタンス生成を Injector 経由での生成にすると、GuiceFilter 使わなくても、やりたいことは実現できそうな気がします。
  これは、思っただけで実現していません。

6. 後日談

後日、動作確認中にアノテーションを使った Custom Injection に失敗する問題に遭遇しました。
以下にまとめていますので、よろしければご確認ください。
wicket guicecomponentinjectorはcustominjectionsを無視する