最近、2つのスクラムチームのチームビルディングをしています。
状態としては、自己管理型のチームになっていく途中の状態で誰かに何かを決めてもらいたいチームメンバーと、決めてもらいたいと考えているチームメンバーに不満をもっているメンバーが混じっている状態です。
対策として、1on1をしたり、スクラムの5つの価値基準についてのディスカッションをしたりしながら、改善のためのデータを集めています。
この状況で、自己管理型チームについて調べていたところ、自己管理型チームについていう記事がとても参考になったので、記事を読んで思ったことを少しまとめておこうと思います。


記事の内容について思ったこと

  • 記事を読む前から、偶然にも同じプラクティスは実施していた
    記事を発見したのは、実際にチームビルディングのカリキュラムを実施したあとでしたが、偶然にも同じようなプラクティスは実施していて方向性としては間違ってなさそうで安心しました。

  • RACIチャートはPMBOKで紹介されていた
    アジャイル|スクラムの対義語にもなっていそうなPMBOKですが、RACIは確かPMBOKの第6版あたりで紹介されていた気がしていて、ウォーターフォールでもアジャイル|スクラムでもどちらでも使えるプラクティスだなと思いました。 また、チーム内に限れば、デリゲーションポーカーでもRACIチャートの役割は満たせそうです。
    職能別の役割分担を記載できるのが、RACIチャートのメリットで、スクラムチーム外の人の役割も書いても良さそうに思いました。(実際に書いて役割を定義するのが正しそう)

  • シェアードバリュー
    ワーキングアグリーメントを作っていると、このシェアードバリューにあたるものが出現することがあり、これを個人的には行動規範呼んでいました。
    この記事上で、ラベリングされていて腹落ちしたので、この言葉を今後利用していこうと思いました。


記事のプラクティスを実施しても、自己管理型チームへなれない理由(仮説)

今まさに自分が関わっているチームはこの状況で、何が理由で自己管理型チームへなれていないのか?考えてみます。
まず、前提としてプラクティスの実施自体が、自己管理型チームへの変化を促進しているのは間違いないかなと思っています。
プラクティスはやった方が良いのは前提で、やったけどうまくいかない理由を考えてみます。

  • サーバント・リーダーシップの不足
    EM自体が、アジャイル|スクラムの経験が少なく、自己管理型チームではなく、従来型の強いリーダシップを発揮している可能性があります。
    EM自体もリーダーシップの学び直しが必要になりそうです。

  • 失敗を恐れている
    現状のチームメンバーを見ていると、極度に<wbr>失敗を<wbr>恐れているように見えています。
    複雑系の問題であれば失敗は恐れる必要がない気がしており、失敗を<wbr>恐れて<wbr>検討する<wbr>時間を<wbr>とるだけ<wbr>無駄実際に検証してフィードバックを得ることを優先した方がいい問題も多くありそうに思っています。
    失敗をとらえ直すという文脈で以下の記事が参考になりそうに思いましたので、リンクを貼っておきます。
    「失敗」を「早期フィードバック」と捉え直すべき訳 ナラティブに未来を紡ぎ出す創造的失敗の知恵 | 企業経営・会計・制度 | 東洋経済オンライン

  • ワーキングアグリーメントに本当に必要な項目を抽出できていない
    個別にヒアリングをしていると、今話した<wbr>トピックこそ、<wbr>ワーキングアグリーメントに<wbr>すべきことでは<wbr>?いうトピックが上がることがあります。チームメンバー自身が、自己管理型チームになるために必要なワーキングアグリーメント項目を認識できていないのかも知れません。

  • コミュニケーションの不足
    チーム結成から1月程度です。まだ、チームメンバー間のコミュニケーションが単純に不足しているようにも思います。

  • インセンティブの設計やルールの認識合わせが不足している
    チームメンバーの中には損得の意識が強めの人間と、そうでもない人間が混ざっているように感じます。
    会社、チームとしてどのような行動を望んでいるのか?インセンティブの設計についてどこまで制度化するのか
    などを擦り合わせる必要があると感じています。

  • ソフトウェアプロセス技術を知らないことが自己管理型への変化を阻害していそう
    ソフトウェアプロセス技術がロストテクノロジーになっている - きしだのHatena2015年の記事でもう完全にロストテクノロジーになっているのかもしれません。
    ルールやプロセスを定義した方が良い場面で、それらを定義することに考えがいかないと、自己管理型チームへの変化が阻害されそうです。


参考

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